二人と一匹 [15] (ワンピース パラレル ゾロ ナミ サンジ)

「食べにくい?」
ナミはエサと格闘しているサンジを見ると、すぐに皿を取り上げた。 サンジの汚れた口周りを拭き、食べさせてくれる。
「はい」
ナミが差し出したフォークに、口を開ける。 口を動かしながらナミと見つめ合う。
「最後の一口よ」
スープを掬い、スプーンを差し出す。 口から垂れ落ちた雫を、ナミが素早く舐め取った。 キッチンはやけに静かだ。
「キョロキョロしないの。ご主人様だけ見てればいいの」
「すいません」
サンジは頬を赤らめる。
「ん、」
ストッカーの扉にサンジの背中を押し付けて、ナミがキスしてきた。
「ナミさ、」
応えるようにサンジも唇を舐める。 ナミはミネラルウォーターを含んでまた唇を押しつけてきた。
「もっと…キスして下さい」
それを聞いてナミはリードを引っ張り、サンジを床に押し倒した。
「ペットがいいなんて男は初めて」
「ごめんなさいナミさん、」
サンジは馬乗りになったナミを見上げた。
「そんな目をしたって駄目よ」
少し冷たくサンジを見つめるナミの目。
「後悔しても知らないから」
整えられたきれいな指先が、ネクタイを解く。
「ほんとそうですよね…」
サンジは寝そべったままじっとしていた。
「知ってるのよ」
「え?!」
サンジが聞き返す前に、ナミはシャツの胸ポケットに指を入れた。
「私のリボン、そんなに気に入ってるの?」
「あ、」
桜色の爪に摘ままれた黒いリボンを見てサンジは顔を赤くした。 あの日以来、お守り代りにしていたナミのリボン。
「ほんと、サンジくんてペットだよね。 好きなもの集めて隠してたりするんだよね」
「これだけです!」
サンジは必死で言う。
「明日、もう片方あげようか?」
いやらしくナミが笑った。
「いやです、あんなのはもう、」
「嘘付いても駄目。こんなになってるくせに」
「あう」
サンジはそこに触れたナミの手に、体を折り曲げた。
「ナミさん!」
「ほんと、サンジくんて、かわいい」
ナミは笑い、抱きついてきた。
「ちょっ…と!」
ナミの胸が腹の上で揺れている。柔らかくて心地良い感触。 イッてしまいそうな自分を押さえる。 ナミはそんなサンジを笑いながら起き上がり、手を引っ張った。
「望み通りに縛ってあげる」
サンジは身を起こす。
「部屋に行きましょ」
ナミは軽くリードを引っ張った。

***


ゾロ宅でのディナーは無事終り、ビビを送って行ったナミが、 もうじき帰ってくるはずだ。
「ん」
ぴちゃぴちゃと音を立てて、ゾロがサンジの中心を舐めている。
「やめろよ、ナミさんが…」
まだ大丈夫、ゾロの声が答える。
「ナミさん、絶対傷つく」
「俺もしてえ」
「俺はナミさんとしてねえよ! ごっこ遊びだって知ってるだろ!」
「どうだかな」
「!」
サンジはキッチン台にうつ伏せにさせられて、体を強張らせた。
「ア、あああ!」
侵入してきたゾロのものに悲鳴を上げる。
「…やべえって、やべえって!」
サンジは涙を滲ませながら訴えた。
「さっき出たばっかりだろ、三十分は帰らねえよ」
「ん、」
突いたまま掻き回すようにされて身を縮める。
「お前が悪いんだからな!」
「ああ、俺のせいだ、責任は俺にある」
「さわんな!」
ゾロは抗議も聞き流し、サンジのものを掴んだまま、 動きを緩慢にした。
「ああ、あ…」
「やらしい声上げやがって」
探るように、ゆっくりと侵入を繰り返す。キッチンに喘ぎ声が響いた。
「あっ」
ゾロの手にどろりと溢れ出た精液をサンジは恥じた。
「もっと出そうだな」
ゾロが耳元で行って、同じところを突く。 今度は収納の扉が汚れた。ゾロは腰を動かして、サンジのものをそこに 擦りつけるようにさせた。サンジは無意識に腰を動かした。
「ア、」
体を反らすと、ゾロは動きを激しくした。
「言ってることとやってることがめちゃくちゃだ」
ゾロが笑う。サンジが我に返って懇願しても、 時間ギリギリまで解放してもらえなかった。
「お前、手伝えよ! お前のせいだからな! 料金上乗せじゃ意味ねえ!」
身支度しながら半泣きで命令する。ゾロはニヤニヤ笑っている。 空気を入れ替え、テーブルの皿を片付けて、汚れた扉も拭いた。
「もう全部片付いた?」
帰ってきたナミがキッチンを覗いた。
「は、はい、大丈夫です!」
サンジは立ちはだかって、ナミをキッチンに入れないように遮る。
「ゾロ、手伝ってるの? 私も手伝うわよ」
奥を覗いて、ナミが言った。
「いいんです! あいつは罰ゲームなんです! ナミさんはお茶お持ちしますから、リビングでゆっくりしてて下さい!」
「そう、じゃ、ゾロ頑張ってね」
ナミはからかうように言うと、リビングへ入る。
「なんだよ!」
ゾロが笑っている。いつもの余裕のある笑み。
「お前、必死だな」
「誰のせいだ!」
水を入れたケトルを火に掛けながらサンジは吐き捨てた。
「前が開いてるぜ」
「!」
サンジはそこを確認してゾロを睨んだ。
「脅かすなよ! 心臓止まるかと思ったじゃねえか!」
ゾロが声を上げて笑う。
「もういい! お前はナミさんの相手でもしてろ!」
サンジはゾロを押しやって、クリスタルグラスを洗い始めた。 ゾロを見ないように集中する。
「そうさせてもらうぜ」
ゾロはあっさりと言い、素早く頬にキスすると、 手を洗って出ていった。
一人になったキッチンで、食器洗い機の音が響き続ける。
「…」
泡がついたままの手で、ゾロのキスのあとに触れた。 意味もなく涙が出そうになる。
涙が落ちる前にシャツで拭いて、次のグラスを取った。




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